こんにちは。
院長の太田です。
今回は、「前立腺の主な病気4つ」についてお話させて頂きます。
この投稿を見て頂けたら、前立腺の病気にはどんものがあるのか、前立腺の病気の症状や特徴などを知ることができるので是非最後までご覧頂けたらと思います。
【前立腺の病気4つ】
今回お伝えする前立腺の病気は、
①前立腺肥大症
②前立腺癌
③急性前立腺炎
④慢性前立腺炎
の4つになります。
全て前立腺に問題が生じるので症状は似ていることも多いのですが、それぞれの特徴には違いもあります。
それぞれの病気を正しく理解することでその対策も変わってくるので、症状がある方は最後までご覧ください!
【前立腺とは】
前立腺とは男性にだけ存在する器官で、精液の一部である「前立腺液」を分泌します。
前立腺は膀胱の下にあり、尿道と精管を取り囲むように存在してます。大きさは胡桃大の大きさと言われています。
「前立腺液」は精子を保護し栄養を与えて、運動機能をサポートする役割を担っています。
前立腺は加齢により肥大しやすい傾向にあり、男性の『前立腺肥大症』はよくある病気です。前立腺が肥大してしまうと、前立腺の横を通っている尿道が圧迫されるため、頻尿や尿の勢いが弱くなる等の『排尿障害』を起こしてしまいます。
また、前立腺は炎症や癌などの発症も多いです。『前立腺癌』は進行が遅く発見しやすいので早期に有効な治療が可能なケースが増えてきています。
【前立腺肥大症】
前立腺は、加齢によって肥大しやすく
60歳以上の男性の1/3
の方が『前立腺肥大』とされています。
◯症状
・尿の勢いが弱くなる
・排尿中に尿が途切れる
・トイレが近くなる
・突然強い尿意が起こる
・尿意はあるけど尿が出しにくい
・力を入れないと尿が出ない
・残尿感がある
・尿漏れすることがある
◯治療
基本的には『薬物療法』を行います。薬剤を使用しても十分な改善が見られない場合には、『手術』を検討していきます。
<薬物療法>
前立腺肥大症による『排尿障害』が起こるメカニズムによって使用する薬剤が変わります。
①「前立腺の平滑筋収縮」によって尿道が圧迫されている場合
→平滑筋の収縮を緩める薬剤を使用。
②「肥大した前立腺自体」が尿道を圧迫している場合
→男性ホルモンの作用を抑えて前立腺自体を小さくする薬剤を使用。
<手術療法>
①尿道から細い内視鏡スコープを挿入して、電気メスによって肥大した前立腺を除去する方法。
②レーザーを使って切除する方法。
があります。
【前立腺癌】
アメリカでは癌の中でも男性の前立腺癌は、発症数が『第1位』となっております。日本でも増加傾向にありますが、採血だけで発見が可能になっていることから、早期治療できるケースが増えています。
罹患率が高くなるのは『60歳以上』ですが、簡単な検査で発見できることから『50歳』を過ぎたら定期的に検診をすることお勧めします。
進行が比較的遅く、前立腺癌が見つかっても寿命に影響しないことも多くあります。
◯症状
・尿が出にくい
・頻尿
・血尿(ある程度病状が進行した際に出現)
・痛み(前立腺周辺のリンパ節や骨に転移すると出現)
◯治療
癌のステージによって最適な治療は変わります。
主な治療法は、
・監視療法
・手術
・放射線治療
・内分泌療法
・化学療法
などがあります。
<監視療法>
すぐに治療を開始しなくても寿命に影響がないと考えられる場合に用いられます。
<手術>
・開腹手術
・腹腔鏡手術
・ロボット手術
などがあり、基本的には『前立腺全摘出術』になります。
術後の合併症
・尿失禁
・性機能障害
を生じることもあります。
<放射線治療>や<化学療法>でも合併症や副作用が起こることはあります。
【急性前立腺炎】
急性前立腺炎は、前立腺が細菌に感染して炎症を起こしてしまいます。
◯原因
尿に含まれる細菌が原因で、「疲労」や「睡眠不足」などによって『免疫力が低下』している場合に、感染することが多いと言われています。
◯症状
・38℃を超える高熱
・排尿障害
・排尿困難
・頻尿
強い症状が急激に起こることが多く悪化すると
・悪寒
・筋肉痛
・関節痛
・閉尿(排尿ができなくなる)
◯検査・治療
尿検査によって細菌感染の有無を調べ感染が確認できたら、抗生物質などの内服や点滴治療を行います。
閉尿(排尿ができなくなる)や高熱などの強い症状が続いている場合や、前立腺内に腫瘍が出来て手術が必要な場合には、入院が必要になります。
『前立腺肥大症』を併発している場合も多いため、その場合には『前立腺肥大症』の治療も同時に行います。
【慢性前立腺炎】
慢性前立腺炎は、前立腺の炎症が慢性的に続いている状態のことを言います。
細菌によって起こる『細菌性慢性前立腺炎』と、細菌以外の原因で起こる『非細菌性慢性前立腺炎』とに分かれます。
割合としては、『非細菌性慢性前立腺炎』の方が多いです。
◯原因
静脈が鬱血する血流障害によって起こると言われております。前立腺は胴体の臓器では最も下にあるため、静脈血を心臓に戻しにくいという特徴があります。さらに上から他の臓器の重みが加わって圧迫されるため、静脈の血流が阻害されやすくなっております。
『非細菌性慢性前立腺炎』は、『骨盤内鬱血症候群』や『慢性骨盤疼痛症候群』による静脈の鬱血や、骨盤底筋の緊張が原因となって起こることもあります。
デスクワークや運転で長時間座った姿勢を続けていると、負荷がかかってしまい血流が遮断されて鬱血を起こし、前立腺周囲に血液が溜まってしまうことによって炎症を起こします。
「飲酒」「運動不足」「ストレス」等も危険因子になると言われております。
◯症状
・血尿
・頻尿
・残尿感
・尿道の違和感
・尿の勢いやキレが悪い等の排尿障害
・下腹部痛
・鼠径部痛
・会陰部の鈍痛、違和感、不快感などの下腹部の症状
・射精時の痛み
・血精液
・睾丸の鈍痛、不快感
・陰嚢の痒み
・太もも等の下肢の違和感や痺れ
【最後に】
今回は、前立腺の主な病気4つをお伝えしました。これら全ての特徴としては『排尿障害』が起こってしまうことが特徴になってきます。上記の症状と当てはめて、一つの参考にして前立腺の病気を詳しく理解していきましょう!
【本日の動画】
「【まとめ】前立腺の病気、主な4つを解説します!残尿感、尿もれ、排尿障害対策!」
最後までご覧いただきありがとうございます。
Posted: 2月 11th, 2023 under 内臓の問題, 泌尿器疾患.
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