2023/01/29(日)
【放置は危険!】腎臓の問題による腰痛とは?
こんにちは。
院長の太田です。
今回は、「腎臓が悪い時に起こる腰痛」についてお話させて頂きます。
この投稿を見て頂けたら、骨や関節などで起こる整形外科的な腰痛以外の、「隠れた病気のサイン」である内臓が原因で起きる腰痛の概要を知ることができるので是非最後までご覧頂けたらと思います。
【腰痛を起こしやすい内臓】
腰痛を起こしやすい内臓として、
・腎臓
・膵臓
・子宮
などが挙げられます。
「隠れて病気のサイン」でもあるので、見逃してしまうと命に関わることもあります。
今回は、『腎臓』に着目して、腎臓によって起こる腰痛の詳細を説明していきます!
【腎臓の役割】
腎臓は腰の丈夫に左右に分かれて存在します。
腎臓の主な5つの役割は
①尿を作る
②体内環境を一定のバランスに保つ
③血圧を調整する
④血液を作る働きを助ける
⑤ビタミンDの活性化
となります。
【腎臓の役割①尿を作る】
腎臓の最も重要な役割として、『尿を作る』ことによって不要なものを身体の外に出す働きをしています。
心臓から出た血液の約1/5が『腎動脈』を通って腎臓に流れ込みます。腎臓は流れ込んできた血液を『体に必要なもの』と『身体に不要なもの』とを分別します。
不要なものとなって分別された『尿』を身体の外に排出する役割があります。
【腎臓の役割②体内環境を一定のバランスに保つ】
腎臓の大きな役割は『尿を作る』ことですが、それと同時に身体に必要なものを再吸収し身体の中の余分な「水分」「塩分」「老廃物」などを身体の外に出すことによって、身体の中の水分量やイオンバランスを一定に保っています。
汗などをたくさんかいて身体の水分量が減った時
→尿の量を減らす
暴飲暴食などにより身体の水分量が増えた時
→尿の量を増やす
上記の働きによって、体内を一定の環境に維持しています。
人の身体は『約60%が水分』でできており、中性に近い『弱アルカリ性』で保たれています。
身体の中で糖質やタンパク質などを代謝するために常に、『酸』が作られています。そのため、余分な『酸』は尿として身体の外に排出され、身体を『弱アルカリ性』に保っています。
【腎臓の役割③血圧を調整する】
腎臓では様々なホルモンが作られています。その中の一つに、血圧を調整する『レニン』というホルモンがあります。血液の流れが悪くなると、それを感知して『レニン』という酵素が分泌されます。
『レニン』は血管を収縮される作用を持つ『アンジオテンシンⅡ』というホルモンに働きかけて血圧を上昇させます。その結果、腎臓は血圧を一定に保つことができ腎臓の機能の一つである『濾過機能』が円滑に働きます。
【腎臓の役割④血液を作る働きを助ける】
腎臓で作られるホルモンの2つ目に、『エリスロポエチン』があります。腎臓には血液中に酸素の状態を感知するセンサーがあり、酸素不足と感じると酸素を運ぶ血液を増やすために『エリスロポエチン』という酵素が分泌されます。
『エリスロポエチン』は血液を作っている骨の中にある骨髄の『造血幹細胞』という組織に働きかけて、血液を作る指示を出しています。
【腎臓の役割⑤ビタミンDの活性化】
腎臓で作られる3つ目のホルモンに、『活性型ビタミンD』というものがあります。
骨を作るのに必要な栄養素である「ビタミンD」は、そのままの形で働くことはできません。皮膚や食べ物から吸収した「ビタミンD」は、肝臓と腎臓の尿細管で酵素の働きを受けて、体内の中で『活性型ビタミンD』に変化させることによって初めて働きます。
『活性型ビタミンD』は小腸から血液中へのカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にする役割があります。
【腎臓によって起こる腰痛】
腎臓は体にとって非常に重要な役割をしていますが、腎臓の不具合によって起こる腰痛があります。
腰痛を引き起こしてしまう腎臓の問題は、
①尿路結石
②腎盂腎炎
があります。
【腎臓による腰痛①尿路結石】
腎臓で作られた尿は膀胱に溜められて尿路を通って身体の外に排出されます。尿路に『結石』と呼ばれる塊ができてしまうのが、『尿路結石』になります。
◯尿路結石の症状
・左右どちらかに限局した、腰・背中・脇腹の激痛
・頻尿
・残尿感
・血尿
・吐き気
・嘔吐
・冷や汗
・高熱
◯尿路結石の原因
はっきりとわかっていない部分もありますが、様々な要因によって引き起こされます。一般的には、女性より「男性」に多いと言われており、
男性
→約7人に1人
女性
→約15人に1人
がなると言われております。
年々尿路結石になる人は増えておりその背景には、
『食生活の欧米化』
『動物性タンパク質の摂取量の増加』
が懸念されております。
結石を構成する成分は数種類ありますが尿路結石の約90%は『シュウ酸カルシウム』と『リン酸カルシウム』から作られる『カルシウム結石』によるものと言われています。
肉類を主体とする食事を続けていると「シュウ酸」や「尿酸」などが身体に蓄えられます。
「シュウ酸」
→カルシウムと結合しやすい性質があります。本来であれば腸内でカルシウムと結びついて便として身体の外に排出されますが、過剰摂取をしてしまうと「シュウ酸」が尿の中にできてしまいます。「シュウ酸」が尿の中でカルシウムと結合すると、結晶化してしまい『結石』になってしまいます。
【腎臓による腰痛②腎盂腎炎】
腎臓の中で尿を溜める部分である『腎盂』内で細菌が増殖して炎症が腎臓まで及んでしまう病気になります。
腎盂腎炎には「急性」と「慢性」に大別されます。尿路結石などの基礎疾患がある方や尿路カテーテルを留置している方は、細菌が増殖しやすいため「慢性化」しやすく注意が必要です。膀胱炎から二次的に腎臓に広がって腎盂腎炎になることもあります。
◯急性腎盂腎炎の症状
・悪寒
・高熱
・強い腰痛 など
◯慢性腎盂腎炎の症状
・倦怠感
・吐き気
・頻尿
・残尿感
・排尿痛
・尿の混濁
・発熱
・腰の痛み
・背中の痛み
◯腎盂腎炎の原因
腎臓で作られた尿が、腎盂や尿管を通って膀胱に溜められて尿道から身体の外へ排出されます。本来健康な人は、尿の通り道には細菌は存在しておりません。尿の出口から侵入した細菌が、尿の通り道を遡って腎盂に達し腎盂で炎症が起こることで発症します。
通常であれば尿路に侵入した細菌は、身体の外へ排出されて免疫力によって退治されます。そのため、簡単に腎盂腎炎は起こりせん。しかし、免疫力が低下していると誘発されやすくやってきます。
感染の原因となる原因菌には様々なものがあり、『大腸菌』などの腸内細菌の他、『緑膿菌』や『ブドウ球菌』などの細菌も原因となってきます。
一般的には「女性」の方がなりやすい傾向にあります。女性は尿道が短く大腸菌が存在する肛門との距離が近いことも理由として挙げられます。
【最後に】
今回は、腎臓が悪い時に起こる腰痛をお伝えしました。腎臓が悪いことで起こる腰痛のメカニズムをしっかり理解した上で、次回お伝えするストレッチを行って腰痛を改善していきましょう!
【本日の動画】
「【放置は危険!】腎臓の問題による腰痛とは?」
最後までご覧いただきありがとうございます。