2022/04/20(水)
前立腺肥大症の概要
カテゴリー:泌尿器疾患
こんにちは。
院長の太田です。
今回は、「前立腺肥大」についてお話させて頂きます。
この投稿を見て頂けたら、前立腺肥大症の大まかな概要を知ることが出来ますので、気になる方は最後まで目を通して頂けたらと思います。
【前立腺肥大症とは?】
前立腺肥大症とは、その名の通り、前立腺が肥大してしまうことによって、排尿機能に様々な問題を起こしていまう症状のことを言います。
前立腺は、精液の成分となる前立腺液を分泌するなど生殖機能の一部を担う器官になり、男性にのみ存在します。
大きさは「くるみ」程度で、膀胱のすぐ下の位置に存在します。膀胱の下の尿道を囲んでいます。
前立腺が何らかの影響により大きくなってしまい、隣接する膀胱や尿道を圧迫してしまうことによって、尿意が頻発するようになったり、逆に尿が出にくくなったりするといった「排尿障害」が引き起こされるようになります。
【前立腺肥大の症状】
排尿障害を呈することによって、日常生活に支障を来します。排尿の症状を気にしてしまい、常にトイレの心配があり日常生活や趣味活動やスポーツを楽しめなくなる事もあります。前立腺肥大症の主な症状を上げさせていただきます。
・排尿の回数が増える
・突然の尿意で失禁しそうになる
・尿意はあるのに排尿が出来ない
・排尿するのに力を必要とする
・排尿に勢いが弱い、または途切れる
・排尿後も残尿感が残る
この他にも症状を我慢し続けることで、尿路結石や尿路感染を引き起こすこともあります。
最悪の場合、尿が溜まっているにも関わらず尿が出せなくなってしまう「尿閉」になってしまうこともあります。
【前立腺肥大の原因】
前立腺は、加齢とともに徐々に大きくなっていくことは知られております。特に50歳以降で、その傾向が顕著になります。
前立腺が肥大する原因は、はっきりはわかっておりませんが、男性ホルモンの働きが影響していると言われております。
男性ホルモンの分泌バランスが、加齢とともに変化することによって前立腺が肥大してしまうと考えられております。
その他にも、メタボリックシンドロームを引き起こす高血圧や高脂血症、肥満症や糖尿病などの生活習慣病との関連も高いとされております。
【前立腺肥大症の治療】
主な治療法は2つあります。一つは薬物療法です。もう一つは手術療法になります。
症状が比較的軽い段階では、薬物療法が選択される事が多いです。
『薬物療法』
前立腺肥大に用いられる薬物療法では、効果によっていくつかの種類が存在し、その中から症状に適したものが選択されます。
①α1受容体遮断薬
前立腺や膀胱、尿道など排尿機能に関わる筋肉や器官に生じている緊張を和らげる薬になります。排尿経路の圧迫を和らげることによって尿を出しやすくします。
比較的短期間で症状を和らげることは出来ますが、前立腺肥大そのものの改善は見られないとされています。
②抗アンドロゲン薬
男性ホルモンの働きを抑えることで、前立腺を徐々に小さくしていく薬。それにより排尿経路の圧迫を軽減し、尿を出しやすくします。
効果が現れるまでに数ヶ月要することもあり、服用の継続が必要になります。
③漢方
前立腺の炎症を抑えることで、排尿症状の諸症状の軽減を促していきます。
『手術療法』
薬物療法では改善が見られなかった方や合併症が出ている場合に選択されることが多いです。
前立腺の手術はいくつか種類があり、その中から症状に適したものが選択されます。代表的なものに内視鏡を用いたものと開腹によって行われるものがあります。
①内視鏡
尿道口から挿入した内視鏡によって、前立腺を観察しながら内視鏡に備わった電気メスやレーザーなどによって肥大した部分を切除したり、くり抜いたりして前立腺を小さくします。
②開腹術
下腹部を切開して、前立腺の肥大した部分や全体を切除する方法。特に前立腺の肥大が大きい場合に用いられる事が多い手法になります。
【前立腺肥大症の予防法】
前立腺肥大症は、日々のセルフケアによって予防したり、症状を軽減できる可能性があります。
具体的な対策は、
・尿を我慢しないようにする
・便秘にならないように気をつける
・毎日入浴し、体を冷やさないようにする
・長時間同じ姿勢で過ごさないようにする
・適度な運動を習慣づける
・適度な水分摂取を習慣づける、過剰な摂取も避ける
・アルコールや刺激物の過剰な摂取を控える
・身体の柔軟性をつけるためにストレッチを行う
ストレッチに関しては、「膀胱」や「骨盤底筋」の状態を整える事が重要になります。
ぜひルーツケアストレッチちゃんねるのこちらの動画を参考にして頂けたらと思います。
【本日の動画】
「【8分で解説!】前立腺肥大症って何?【Prostatic hypertrophy】」
最後までご覧いただきありがとうございます。